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創作サイト【文燈】の雑記、一次、二次創作書き散らし用ブログ。 休止解除しました。創作関連はサイトでの更新に戻るので今後は雑記、返信等が中心となるでしょう。更新が鈍い場合はツイッター(http://twitter.jp/gohto_furi)に潜伏している可能性が、大。
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 【 レンズと悪魔 Ⅵ 魔神応報 】
 ( ライトノベル / 六塚光 / 角川スニーカー文庫 )


 ぱっと見、全身穴だらけに見えるのにいざ相対してみると全く仕掛ける事の出来ない雰囲気。
 この六巻まで読み進めて来て、この作品にもそのような表現が当て嵌まるのかも知れないと感じ始めているのは事実です。一巻と比べてみても物語の進行とキャラ増加以外に何がどう進化した、と聞かれると答えられないのですけどね。何と言うか、スタート直後ではなくて実は既に一周し終わってたんですよ的な感覚。自分でも何を言ってるのか意味不明ですが。
 宇宙大将軍(審議中)が宇宙大将軍(確定)に思えて来るのは、そんな隙だらけで穴の無い文体のせい、なのかも。【八眼争覇】の未登場者が残り一人になってしまった訳で、話の焦点が争覇【後】に合わさり始めていますが、さて六塚さんはどのように進めて行くのか。そしてあんまりにもあんまりな扱いの彼(JFさん)がどのように話に絡まって来るのか。予想外の人物が予想外の仕打ちを受けるこの物語の手法を個人的に【六塚マジック】と呼称したい気分です――単なるマジックと言うより、殆ど黒魔術ですがね。笑い難い。
 そう、
 まるで酔拳みたいに穴だらけで隙が無い作品ですよ。
 もしもこのような雰囲気をを意図的に演出しているのならば、いや本当、侮れませんねこの人。
 万力、フォーク、ペンチにハンマー。次の得物は……………………つまよう、じ?(有り得ん)

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 【 アプラクサスの夢 】
 ( ライトノベル / 高橋弥七郎 / 電撃文庫 )


 ここ最近の書評に共通する傾向ですが、この作品もまた、出版されたのは結構昔。04年の夏頃でしたから、もう三年半以上が経過しています――買ってすぐ読み終えた点だけが、熟成させ過ぎな【マルドゥック・スクランブル】辺りとは違う所ですが。笑。
 題名では触れられていませんが、この作品は所謂【A/Bエクストリーム】シリーズの三作目に該当するものです。所謂、と言っても作品自体がマイナー極まりないものなので、御存知ない人々が大多数でしょうけれど。高橋先生と聞いて真っ先に思い浮かべるのは【灼眼のシャナ】でしょうからねえ。
 素敵に剣呑、陽気で不敵な駆除屋(エクスターミネーター)達の、とことん楽しくほんのり苦い機械仕掛けの御伽噺。未来型【バッカーノ!】と呼んでも差し支えない――と一瞬考えたりしましたが、むしろこの物語の登場人物達はその馬鹿騒ぎを自覚している分だけ、前述の人々よりは冷静です。達観している、と言うべきか。それはまた、【権利兌換制】の敷かれた老化の止まらない世界と真っ向から対峙している証明でもあるのですが。
 リゾルートがトランクイロに捧げる【騎士道】は真っ直ぐ過ぎるが故に歪み、その歪み方があまりにも真っ正直な故に心を締め付けられます。駆除屋にとっての物語は常に”倒すべき相手”の物語、なんでしょう。主役でありながら常に脇役である訳ですが、だからこそ、あのような凸凹に恵まれたイイ性格の人々が出来上がったんでしょうね。苦笑。
 今でも続編を待ち続けています。
 続編の出て欲しいライトノベル、永遠の第一位。神棚。
 この作品の題名から【A/Bエクストリーム】の文字が外された事が「これはあくまでも独立した一作品でシリーズの今後は無いですよ」と言う電撃文庫の意思表示だとしても、自分は諦めませんよ。この一件に関しては諦めの悪さを遺憾なく発揮し続けますとも。

 【 マルドゥック・スクランブル 】
 ( 文庫・小説 / 沖方丁 / ハヤカワ文庫 )


 > Vol.1:【圧縮】
 > Vol.2:【燃焼】
 > Vol.3:【排気】

 三冊全てを読み終えたのは今年に入ってから(2008/1)ですが、買ったのは結構……と言うか、滅茶苦茶、昔。最初から順に四刷、二刷、二刷と言う印刷状況がその動かぬ証拠だったり。”美味しいものは最後に取っておく”なんて言い訳、木っ端微塵。
 まあそれはさておき、感想へ。
 スマート、シャープなSFの土壌と土台を備えていながら、非常に――内省的、哲学的な側面も持ち合わせている物語です。【燃焼】でのボイルドとフェイスマンの問答等がその好例だと思いますし――更には、煮え切ろうにも煮え切れないラブコメ的な”素顔”までちらちら覗かせているのだから他書に浮気する間もなくお腹一杯。バロットにウフコック、お互い生煮えなのに周囲から見ると全てを焼き焦がす炎が燃え盛っているようにしか見えないですから。笑。
 そして何と言っても一番の見所は、【排気】でのカジノ、ブラックジャックによる決闘シーンでしょうよ。勝負なんて安直な言葉は、あの静謐ながらも鬼気迫る文章の前には一ページすら耐え切れずに圧し折れます。螺旋を昇るように、精神が成長し、研ぎ澄まされて行くその過程こそが、この作品の心臓部なんでしょうねえ。
 この物語の前、嘗てウフコックがボイルドと組んでいた頃の物語である【マルドゥック・ヴェロシティ】は未読(と言うか未購入)ですが、いずれはそちらも。文体に特徴が云々と言う書評も気になりますし。

 【 バッカーノ! 】
 ( ライトノベル / 成田良悟 / 電撃文庫 )


 今頃(2008/3現在)になって嵌り始めていますが、この一作目を買ったのは結構昔。
 続編を幾つか読んだ後にこれを読み返すと、一番最初に読んだ時に【題名通り!】と思った作中のテンションがかなり下方修正(つまり穏やか)に感じられてしまうのは仕方の無い話、ですね。だからこそアイザックとミリアの掛け合いが、続編よりも数段印象が鮮やかになっているのでしょう。いえ、続編でも十分十二分に騒々しいですが。苦笑。
 ”悪魔”がもたらした不死の酒、そして相手を【喰う】システムは、最大の特徴である【不老不死】よりも――むしろそのような人々が各々の分野で永遠に近い時間を生き続け膨大な世界の知識を蓄えさせ、共食いさせ合う事によって”手っ取り早く”世界の全ての情報を掻き集める事が目的なのではないかなァ、と最初に読んだ時に感じました。実際はどうなのかは、作者のみぞ知る所なのでしょうけれど……まあ読んでて楽しいので問題無し。(無いのか)
 表紙上のアイザックとミリアがごくごく普通にワルと悪女に見えたのは、きっと絵師さんの仕組んだ罠。そうに違いない。でなきゃ印象詐欺ですよかっこわらいかっことじ。

 【 .hack//CELL(Vol.1&2) 】
 ( ライトノベル / 涼風涼 / 角川スニーカー文庫 )


 > Vol.1:【終わる世界】
 > Vol.2:【無限の解放】

 原作とも言うべき、前シリーズ【.hack(無印)】をプレイして嵌ったのが切っ掛けで購入したライトノベル。内容は続編【.hack//G.U.】の物語とリンクしているので本来ならばそちらを遊ぶまで控えておくべきだったのでしょうが、流石に、そちらまで遊ぶ時間的余裕が無かったので。苦笑。
 MMORPGと言う作品の性質上、この手のオリジナルストーリーを組み立て易いのは大きな利点と言えそうです。作中での主役たる碧もアダマスも、”別のプレイヤー”として本来の登場人物達と違和感無く絡めていますから。ジーユー(気が抜ける)をプレイする予定は無くとも、シラバスとガスパーの凸凹漫才だけはテレビ画面を通してじっくり拝見拝聴してみたいもの。
 リアルとフェイクが錯綜する物語は、或る意味では”定番”と言えるのでしょうが……涼風氏の精巧な筆致(【デモンベイン】でも大いに唸らされた)によって、ありきたりになりがちな味わいがきっちりと商品として成立しているので安心です。自身の作風と素材の味を両立させる難しさを二次創作で知っているからこそ、その感心度合も膨れ上がりますよ。
 アダマスのお陰で、
 知る人ぞ知る【アダマンタイマイ】のあの堅さにも納得が行きました。(ゲーム違う)

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