創作サイト【文燈】の雑記、一次、二次創作書き散らし用ブログ。
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【 生物と無生物のあいだ 】
( 文庫・新書 / 福岡伸一 / 講談社現代新書 )
中身に関して詳しく語り始めるとそれはもう途方も無く難解になるし、肝心の筆記者自身にそれを噛み砕いて分かり易く再構築する能力も基礎知識も無いので、その辺りはスルー(待て)します。ただ、その部分を詳しく語らなくとも魅力が布教出来そうな所が、この本の凄い所かも。
生物と無生物を隔てるルールは何か、生命とは何か、生きていると言う状態の定義はどんなものなのか。それらの難問に関して著者の福岡さんは様々な研究者や理論、実験成果を示しつつ記していますが――そのような専門的な文章だけでなく、自身の過去の研究環境や生活風景を巧みに絡め、科学書と言うよりも”かがくの読み物”と言った方が相応しい一冊に仕上げてらっしゃいます。研究の最前線の裏事情は、むしろ人間ドラマ的な色彩の方が強いかも。もしそこに属するならポスドクよりはラボ・テクニシャンに徹したい自分は、やっぱり歯車属性から抜け出せない模様です、笑。
動的平衡に、ブラウン運動。
それは生命一個体レベルに止まらず、人間種、地球全体の範囲で絶え間無く行われています。後者に関しては、必ずしも滞りなく実行されているとは限りませんが……富や人口の一極集中や格差の拡大は、ブラウン運動に真っ向から反発する行動ですからね。だからと言って人間が全て、平等や公平を元より心の中に刷り込んでいるのかと言うとそうも言えない訳ですが。
<完全な欠落よりも、部分的な欠落の方が事態を悪化させる>
何とも耳に痛い真理です。
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