創作サイト【文燈】の雑記、一次、二次創作書き散らし用ブログ。
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【 MOMENT 】
( 文庫・小説 / 本多孝好 / 集英社文庫 )
読み終えた直後には特に感じなかった感覚が、暫く時間を置くとむくむくと湧き上がって来る事がよくあります。この小説も、そんな時間差の感覚を芽生えさせた一例。
何と言うか――ちょっと不可思議な感覚なのですが、この小説は今では【ヒーロー物小説】的な印象で自分の感性の額縁の中に収まっています。病院、終末、そして”仕事人”。文体は一人称ながら冷静に淡々と進み、派手な戦闘シーンなんかは勿論存在しないのですが、最終的に感じたのは上記のような、定規の目盛りが大いに狂った的外れの(ように見える)感触。不思議ですね。分かってはいるのですけど、不思議です。ブラックジャックとドクター・キリコのどちらがこの物語の登場人物にとっての必需品なのかは、多分、言わずもがななのでしょうけれど。
それはそうと、
森野のイメージが、何故か霧間凪(ブギーポップ・シリーズ)で固定されてしまっている自分。更に”僕”の方はと言えば、同じ一人称だからだと言う訳でもないですが戯言遣い(戯言シリーズ)のイメージ。特に後者は、両シリーズを読んで頂ければ納得して頂けるのではないかな、と。
かかあてんかまちがいなしですね。(棒読み)
優しく厳しく、安直な涙をにっこり笑って門前払いしてくれる作品です。本多先生の他作品も読んでみたい。
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