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【 鼠と竜のゲーム 】
( 文庫・SF / コードウェイナー・スミス / ハヤカワ文庫SF )
海外SFと言えば自分の中ではもう長年ヴォネガットによる独占状態が続いていた。そろそろ新しい作家さんにも触れたいと思って伸ばした手の先が最初に触れたのが、この一冊です。
コードウェイナー・スミスが綴り出す未来宇宙は意外なほどに歪で凸凹で、均整からも安息からもかけ離れているが故に魅力的。そこに描き出されるのはシステムの進化よりも、むしろその歩みを追い掛けては追い越しまた追い抜かれる人間(とそのパートナー)どもの悲喜劇です――【星の海に魂の帆をかけた女】なんて、今直ぐ【ある愛の詩】と改題しても全然驚かない。進化と進歩を求めすぎた宇宙がやがて<人間の再発見>(自分的にはルネッサンスとルビを振りたい)へ文明の舵を切る過程は、ありがちと言えばありがちだけれど違和感は感じません。兎にも角にも、未来は調和と混沌のどちらにどう転んでもそれなりにグロテスクな風景に落ち着く、と解釈しました。
長編【ノーストリリア】や今作の後編(?)【シェイヨルという名の星】にも、いずれは手を出してみたい。スズダル中佐はスターオーシャン的な作品ならば間違いなくラスボスの座に収まるでしょうね……苦笑。
それと、
猫好きな方には表題作【鼠と竜のゲーム】を無条件でお薦めします。猫と人類の関係における一種の到達点なのではなかろうかなー、と。というかスミス氏を始め、SF作家――いえ作家全般における猫侵食率の高さは異常かと。やはり奴等は、宇宙から差し向けられた人類の進化の監視役なのでは?(飛躍しすぎであります)
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