創作サイト【文燈】の雑記、一次、二次創作書き散らし用ブログ。
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【 円環少女 5 魔導師たちの迷宮 】
( ライトノベル / 長谷敏司 / 角川スニーカー文庫 )
同じ世界を舞台としながら、決定的に”ここ”と乖離していた”そこ”。
そんな小説内の擬似的現代が巻を追う毎に実際の”ここ”に接近し、接岸し、接着される過程は、架空の物語だと分かってはいてもじっとりと心を湿らせます。他のライトノベル小説と比べても格段に細部の設定や小道具の描写が精緻である事も、そんな感想を抱く後押しをしているのでしょう。とは言えそれは、前へと進む後押しと言うより、崖から躊躇無く突き落とすようなものですが。
魔導師と最新鋭銃器の組み合わせは、正に”鬼に金棒”。
そしてそんな鬼達を情け容赦無く始末する桃太郎、の皮を被った狩人達。魔導師中隊の壊滅過程を文章上で追う毎に、それを実感します。もしも今の時代に童話【ももたろう】が創作されるのならば、この【公館】の面々程に主人公の役回りが似合う人々もいないでしょう。その財宝が換金不可能(と言うか保持すら危険)な核爆弾である事自体、救いの無い皮肉ですがね。
そう言えば、新民主主義研究会の中では【イシハラ】だけがまだ登場していません。今後登場するのか、登場予定の無い名前のみの人物なのか、それとも既に何らかの偽名(?)で登場しているのか。気になると言えば気になる事柄ですが、その前にこのままでは未登場の専任係官二人が未登場のままで終わってしまいそうな嫌な予感。
――――”君たちは、正しく怒っているか?”
それがきっと、
最も難しい怒り方です。
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