創作サイト【文燈】の雑記、一次、二次創作書き散らし用ブログ。
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【 スポーツドクター 】
( 文庫・小説 / 松樹剛史 / 集英社文庫 )
デビュー作【ジョッキー】では競馬を題材として取り扱っていましたが、今作は題名通りのスポーツドクター。救急救命や感染症対策と言った危険度の高い分野ではない為、なかなか話を盛り上げるのが難しそうな印象を抱いて読み始めました。結果的にはそのような心配が杞憂に終わったので安堵しています――但し、それは”盛り上がったから”と言う意味では無く、 ”題材を活かし切った”と言う意味で、ですが。
生死に直結しないからこそ、そこに潜む問題はより人間性や倫理に根深く絡まった難題になります。青春に賭ける情熱、愛情の暴発、肉体と精神の矛盾、その他色々。【生きる】為ではなく【上がる】為に発生する問題だからこそ、善悪を判断し難く完璧な処方箋を出し辛いのですね。だからこそ、それらに相対するスポーツドクター靫矢(うつぼや)の”柔らかい鋼”のような姿勢が、この職業には必要なのでしょう。この先生の場合、柔らかさと強さだけでなく、そこに”鈍さ”が加わってしまっているのが問題と言えば問題なのでしょうけど。笑。
一読すると、
江がどこぞの人類最強請負人にしか思えなくなる不思議。何処にでも出没する人だ(違)。
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