創作サイト【文燈】の雑記、一次、二次創作書き散らし用ブログ。
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【 オーデュボンの祈り 】
( 文庫・小説 / 伊坂幸太郎 / 新潮文庫 )
突き抜けも凹みもしていない主人公と、慈悲も容赦も要らない悪者の、対峙。
そう書いてしまうと“ありがち”以外の言葉を許さないものですが、これだけ奇想天外で肥沃ある比喩に富んだ作品も、本筋以外のものを取り除いていくとそれだけしか残らないのだから不思議。最も単純な要素の配置なのに、とてつもなく複雑回帰(誤字に非ず)な伏線を張り巡らして芸術的な作品に仕上げられてる。遥か上から作品世界を眺め下ろしたら、きっと、張られた伏線が一つ以上の精緻な絵画を描いている事でしょう。……イサカの地上絵?(ベタな)
この作品を表現するのに適切な四字熟語を脳内で探したら、【勧善懲悪】が最終選考まで残った。そしてこの作品だけじゃなく、他の――特に長編作品なんかは殆どこれが当て嵌まるようにも思える。勿論、これ以外の四字熟語も当て嵌まりますけど。
伊坂さんの作品は、やろうと思えば、殆ど全て子供向けの童話にする事ができるように思えます。登場人物がいきなり洋楽や遺伝子や支倉常長やリョコウバトの話を始めさえしなければ、何の問題もない。……や、大問題か。
それはそうと、読んでいる間、桜とコルゴン(魔術士オーフェン)が同一人物に思えて仕方なかった。イメージ丸被り。花とサボテンの違いはあれど植物を愛でているのも共通項。あの拳銃の銘は【ヘイルストーム】だったりしないだろうか。(しません)(謎は、初めから結ばれてない)
最近は新刊に目を通せてない。
【ゴールデンスランバー】や【モダンタイムス】も、早い所読んでおかないと。
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